2017GP静岡で【Team Cygames】が直面している問題について
こんにちは、本日twitterをみていたら、こんなツイートが。
今週末開催されるグランプリ・静岡2017春では、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社よりCygamesの社名及びロゴを出さないでほしいと要望がありました。
— Team Cygames (@Team_Cygames) 2017年3月17日
ユニフォーム等は着用せず大会に出場いたしますが、変わらぬご声援をよろしくお願いいたします。 #teamcygames
僕が個人的に一番応援しているプロチームから、悲しいお知らせ。
そもそもTeam Cygamesとは
発足に対しての株式会社Cygames社の表明
「弊社は事業の主軸であるソーシャルゲーム事業の枠にとらわれず、様々なフィールドを通じて、人々に喜びや夢を
与える最高のブランドを目指すとともに、社会に多様な価値を提供することを目指しています。
世界初のトレーディングカードゲームである『マジック:ザ・ギャザリング』は20年以上の歴史を持ち、カードゲームはもちろんのこと、コンピュータゲームの発展にも大きく寄与してきました。
弊社はゲーム業界全体の継続した発展を目的に、TCGの日本でのさらなる普及を支援し、プロプレイヤーが活躍できる土壌を育んでいきたいと考え、このたび、Team Cygamesを発足致しました。」
Cygamesはゲームに明るい方であれば名前くらいは聞いたことがあると思います。
最近ですと大ヒットゲーム【シャドーバース】もリリースしています。
シャドーバースはMTGと同じく、カードゲーム。スマートフォンにてプレイすることのできるデジタルゲームです。
今まではプロプレイヤーのスポンサードはカードショップからが主でした。
その中で、おそらく業界初?の外部ゲーム会社がMTGのプロチームを立ち上げたのが【Team Cygames】です。
誰もが知っている渡辺雄也選手等、有名プロ4名が所属しています。
なぜロゴが出せないのか
Cygamesが競合他社となる以上、PRはMTGとマーケットが被るので許せないということだと思います。
前回のプロツアーではそのようなウィザーズからの措置はなかったので、方針が転換されたのだと思います。
競合他社のスポンサードはそもそも問題なのか
因みに当たり前ですけど『このくらいにシャドウバースっていうディジタルカードゲーム出しますよ。』って話は勿論ウィザーズ側に事前に伝えてて、そこが了承されてチームは発足されてますよ。
— Yuuki Ichikawa (@serra2020) 2017年3月17日
Team Cygames結成時に木村さんにその意義を聞きに行ったりしましたし(プロスポーツ文化を日本に根付かせたい)、ウィザーズのプレイヤーミーティングにも参加して「外部スポンサーの流れは歓迎」と聞いていただけに今回の処置はショックです。これじゃあ後進は絶対来なくなってしまう。
— Yuuki Ichikawa (@serra2020) 2017年3月17日
所属プロの市川選手からは上記のようなツイートが。
これが事実なら、ウィザーズはTeam Cygamesを潰しにかかってきているのかと思いました。
市川選手の指摘通り、このような措置が毎度の大会ごとにとられるならば、外部ゲーム業界からのスポンサードは不可能になります。
今回はシャドーバースがアウトということかと思いますが、ゲームであればどれでもアウトになる可能性すらあります。
ウィザーズとプレイヤー 両社の利益の天秤
スポンサードされることによって、プロは競技に集中することができます。
そして、プロが活躍することでMTG自体が盛り上がることになるので、ウィザーズとしてプロへのスポンサードは大歓迎なのです。(利害関係がなければ)
スポンサードがあれば、プロが享受する直接的なメリット(金銭的、プレイ環境)は大きいです。しかしそれはウィザーズが直接享受するメリットではなく、プレイヤーが活躍することで初めて、ウィザーズも利益を享受できます。
上記からプレイヤーとウィザーズの間ではスポンサードが持つ利益の大きさ、質が全く違うということが分かります。
プレイヤーにとっては大きく、ウィザーズにとっては小さい。
そして、どんな企業がプロをスポンサードしていても、ウィザーズとしては構いませんし、そもそもスポンサードがなくてもプレイヤーさえ活躍すれば問題ありません。
今回のようなケースだと、Cygamesがプロをスポンサードし、活躍してウィザーズが得られる利益よりも、Cygamesのシャドーバースにマーケットを奪われる不利益の方が大きいと判断したのだと思います。
短期的な視点ですと、その判断は間違っていないようにも思えますし、
長期的に見ても、「シャドーバース」がマーケットを奪うリスクを考えれば、ウィザーズがCygamesに牽制をかけるのは理に適っていると思います。
今後外部スポンサードは出来ないのか
おそらく、そんなに資本主義は甘くないというウィザーズの考えがあるので、今後は厳しくなるのではないでしょうか。
コカ・コーラが作っているTV番組で、コーラ業界を盛り上げたいからペプシのCMを流すなんてことはしないと思います。
今回の静岡でのウィザーズの処置は、会社としては当然ですし、プレイヤーとしてはますますやりずらくなっていきます。
今回の一件で、スポンサード参入を考えていた企業も尻込みすると思います。
現在のMTGのプレイヤー規模、影響力ですと、影響力が見込まれるゲーム業界以外(例えば、ユニクロとかGoogleとか関係のないところ)からのスポンサードはまだまだ厳しいと思います。
プレイヤーがもっと活躍できるような環境作りが進んでいくことを、一プレイヤーとして自身も考えていこうと思います。
ご意見、ご指摘あればコメント頂けると幸いです。