pauperを定義するカード【呪文づまりのスプライト】
こんにちは。
最近のpauperを考えるにあたって、僕が意識しているカードがあることに気づきました。
そのカードとは…
呪文づまりのスプライト
このカードはpauperを定義しているカードと言えるくらい強力です。
このカードを知ることで、pauperの環境理解が進むと考えています。
それくらいpauperを代表するカードですので、これからpauperを始める方はぜひ参考にしてみてください。
どんなデッキで使われている?
現在ですと、主に青赤の氷雪フェアリーに採用されています。
どんなデッキなのかはこの記事の中の【氷雪フェアリー】を参照してください。
氷雪フェアリーの根幹
このデッキがメタゲームの中で高い支配率を誇っているのは、【呪文づまりのスプライト】のカードパワーのおかげといっても過言ではありません。
このカード自体が強さと、【深き刻の忍者】という効率よくスプライトを使いまわす手段が合わさると本当に強い。
この2枚のシナジーの強力さこそpauper環境を定義すると僕は考えています。
何故強いのか?
- 相手のカードをカウンターしつつ、1/1飛行を残すことが出来る
- インスタントタイミングで出るので、隙がない
- pauperのカードは低マナ域が多い
- ケアのしずらさ
相手のカードをカウンターしつつ、1/1飛行を残すことが出来る
これが強いのは言わずもがな。2マナのカウンターに1/1の飛行がついてくるなんて本当に恐ろしい。
飛行持ちなので次のターンの攻撃をブロックするのは非常に困難です。
そのため次のターン、ブロックできない→【深き刻の忍者】が忍術で出てくる。→次のターンにまた構えられる
とハメパターンを作ることが出来ます。
相手のスペルを打ち消した後も、再度回収できる可能性を持ちつつアタックもできるというのは強すぎませんでしょうか?
インスタントタイミングで出るので、隙がない
インスタントタイミングで出せるので、相手の動きを待ちつつ動きがなければ相手のエンドに出して次のターンを迎えることが出来ます。
そのため、重ねて引いてもテンポが悪くなることはなく、むしろフェアリーを並べることが出来るので、カウンターできる呪文のコストを大きくすることが出来ます。
仮に相手の動きがなくても、エンドに出して次のターンに忍術用のアタッカーを出すという動きも強力です。
pauperのカードは低マナ域が多い
pauperはコモンを使うフォーマットなので特に低マナ域に強力なカードが多いです。
通常、レアの高マナ域のカードは、低マナ域数枚分の強さになるように調整されています。
例えば6マナのレアカードだと、3マナが3枚分くらいの強さになるものがあります。
マナコストが上がれば、その分唱えにくくなりますがしっかりとメリットがあるわけです。
しかし、コモンのカードが6マナは6マナ分しか強くないのです。6マナのカードでも3マナ2枚分の強さしかないようなものがほとんどで、6マナのカードを使うメリットがほとんどありません。
逆に【稲妻】に代表されるように、今のスタンダードだと考えられないような呪文が低マナ域に存在します。
pauperは低マナ域のカードが多く採用されるというのが特徴であり、その環境にマッチした能力をもつスプライトは必然的に強カードとなります。
ケアのしずらさ
スプライトを除去すれば大丈夫と考える人もいるかと思いますが、実際はひどく大変です。
1マナのカードを使うときに、さらに1マナもしくは2マナを浮かせてプレイする必要があるというのはテンポ面で大きなディスアドバンテージです。
1マナ、2マナのカードは2ターン目までに使うから強いのです。
しかし、スプライトの存在があるだけでマナをフルに使って呪文をキャストすることを躊躇してしまう。
また、仮に除去してもそれは1対1交換で決して有利になることはないのです。
むしろ相手は次の自分のターンで相手の介入を受けずに行動することが出来ます。
そして、スプライトの完結した強さとは、軽い除去でしか対策できないのに、軽い除去はスプライトの「的」になるということなのです。
なので2枚軽い除去を持っていないと、デルバー等に気軽に打つことが出来ません。
実際のpauperでの影響
【呪文づまりのスプライト】 によって抑制されているデッキがあります。
それは赤単バーン。
バーンの戦略は低マナの優秀な火力を相手に投げて勝利することです。
毎度、相手のライフを削り取れるかギリギリのリソースなのに、それをスプライトでカウンター、忍者で回収という動きをされれば、2枚は確実に火力が失われます。
対抗呪文等で1対1交換ならまだ戦えるのですが、使いまわされるとお手上げです。
他にも呪禁オーラも抑制されています。構造上、除去を採用できない上に、クリーチャーとエンチャントのほとんどは1マナなので確実にスプライトのカウンターを受けます。
pauperでこれらのデッキと似たようなデッキ構造ならば、しっかりとスプライト対策をしましょう。
pauperだとマナコストが重いこともメリット
【呪文づまりのスプライト】の存在がpauperだと大きいので、必ずしもコストが重たいことも単純なデメリットではありません。
呪禁オーラの【祖先の仮面】は効果が強いだけでなく、3マナでスプライトに打ち消されにくいというメリットも評価できます。
バーンが採用する【火炎破】のようなピッチスペルも、カード自体のマナコストは大きいものが多いのでスプライトにほぼ打ち消されない強みがあります。
親和デッキもカード自体のコストは大きいので打ち消されにくくてスプライト環境のpauperにマッチしています。
このカードをpauperであまり見ないのもコストが軽いから?
対策方法
対策方法としてはメインからこのカードに対処するのは非常に困難です。
このカードに対処する為のカードをメインから採用しすぎるのはデッキの構造を歪めます。
肝心なのはサイドボード。これらのカードをうまく使ってスプライトに打ち勝ちましょう。
散弾の射手
着地すると相手のスプライトを完封できます。昔の青単に入っていたスプライトだとこのカードで上手くいったのですが、今は火力で速攻やられるだけです。
スリヴァー等のクリーチャーを多用するデッキなら採用してもいいかもしれません。
空への斉射
オススメの一枚。このカードはまだpauperだとマイナーなのでケアするプレイヤーも少ないです。スプライトの誘発に対してこれを唱えれば、運が良ければ裏返ったデルバーとスプライトを打ち取ることが出来ます。
相手が4マナ立っているときは、適当な除去と一緒に使って、2体連続でキャストしてきた2体のスプライトを気持ちよく除去したいですね。
電謀
pauperの定番サイドボード。スプライトに強いだけでなく、呪禁オーラ、ストンピィ、トークン、エルフと刺さるデッキは多いです。
対スプライトとしてはこのカードをいかにうまく通すかというのがプレイングで求められます。適当に使うとキャッチされて終わりです。
このカードが普通に2マナなら強くていいんですけどね。
はらわた撃ち
どんな色のデッキでも使える優秀カード。オススメ。最近だと緑単ストンピィにも緑の対策カードを押しのけて採用されております。
このカードが強いのはマナを浮かさずに行動がとれるということです。このテンポ面での利点を評価しての緑単ストンピィでの採用だと思います。
呪禁オーラだと【軍旗の旗手】の対策になるので必須カードと考えています。
pauperのデッキを組む時は常に採用を検討できるカードですので覚えておきましょう。
逆にスプライトを使うときはこのカードがあることを忘れずに。マストカウンターのカードは対抗呪文で。
最後に
長くなりましたが、それほどpauperで存在感のあるカードなのです。
プレイングの面でもスプライトをケアできるか否かが、初心者と中級者を分けます。
個人的には禁止になってもいいくらい強いとは思いますが、このカードがあるからこそアンフェアデッキが抑えられているという側面があるのでなんとも言えません。
使う側に回るか、使わないならしっかりと対策をしましょう!